なぜアンティークジュエリーのリペアは断られてしまうのでしょうか?

本日のジュエリー。



お客様からお預かりしたアンティークのリング。

サイズ直しをご希望でした。

地金素材はゴールドとの事でしたが

ご覧の様に経年劣化により変色しており

18金なのか、それとも14金なのか分からない状態。

もしかしたらそれ以外かもしれません。

更に画像を拡大して頂くとご覧頂けますが

「ス」と呼ばれるクレーターの様な穴が

あちらこちらにあるのがお分かり頂けるでしょうか?

これは製造過程で鋳造(溶けた地金を型に流し込む)の際に

出来た気泡がそのまま空洞になり穴が開いてしまったもの。

地金表面にこれだけ「ス」が存在するという事は

見えない部分にも「ス」が存在する事を示しています。

「ス」が多いという事は地金の強度が低いという事。

つまり、リペアやリメイクで加工をすると

破損の可能性が非常に高いという事になります。

これらの理由により

アンティークジュエリーのリペアやリメイクは

断られてしまう事が多いのです。



慎重に作業を進め

なんとかサイズ直しが完了しました。

「ス」を埋める作業は行っていませんのでそのままですが

地金の表面は軽く研磨しているので

輝きが甦りました。



サイズ直しにより余分になった腕には

以前に他社でサイズ直しを行った痕跡がありました。

金色ではなく銀色のロー材が使用されているのは

時代でしょうか?

もちろん、私達はどこでサイズ直しを行ったか

分からない様に仕上げています。



無事にサイズ直しが完了したアンティークのリング。

この姿を見て、私達もホッと胸を撫で下ろしました。

全てのアンティークジュエリーの

リペアやリメイクが可能ではありません。

状態によっては

加工する事により破損する可能性もあります。

それほどアンティークジュエリーのリペアとリメイクは

リスクが存在するのです。

 

先日は遠いところお越し下さいまして

誠にありがとうございました。

またのご来店を心よりお待ちしております。

 

※アンティークジュエリーのリペアとリメイクは状態によりお断りする場合がございます。

※アンティークジュエリーのリペアとリメイクは破損リスクが高い為、万が一破損した場合でも弊社では責任を負う事は出来ません。

※アンティークジュエリーのリペアとリメイクは通常よりも高い技術が必要になりますので、工賃は特別料金となります。お品物の状態により異なりますので、その都度お見積をご提示致します。

 

 
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