ちょっとした不注意で割れてしまいました・・・。
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一時的に別の湯飲み茶碗を使っていましたが
どうもしっくり来ない。
ならば以前から興味があった金継ぎをやってみる事にしました。
まずは下調べと材料調達から。
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生漆。
小麦粉。
木粉。
金粉または銀粉。
紙ヤスリ。
ヘラ。(カッター等でも代用可能)
色々と調べてみましたが、これだけあればなんとかなりそうです。
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①接合
割れた部分に漆を塗り下地を作ります。
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その後、生漆と小麦粉を混ぜたものを塗り
割れた破片を接合して行きます。(小麦粉の接着力を利用して接着します。)
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接合が終わったら
念のためテープ等で形が崩れない様に固定しておきました。
このまま2週間放置しました。(温度や湿度の状況により乾燥させる期間が異なります。)
②補修
テープを剥がし接着が完了している事が確認できたら
欠損部分の補修を行います。
割れた破片(ピース)は揃っていましたが
破片のエッジが粉状になり削れてしまっている部分は
生漆と木粉を混ぜたもので補修します。
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ちょっと厚塗りにするのがポイントですが
厚塗りし過ぎると乾きにくくなるので
欠損箇所の範囲が広い(大きい)場合は
乾かしながら少しずつ塗り重ねましょう。
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3日ほど乾燥させ硬化したのが確認できたら
余分な部分をガリガリと削って行きます。
ガリガリと言っても優しく慎重に。
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凹凸が無くなったところで
表面を滑らかにする為ヤスリがけを行います。
内側も外側も丁寧にヤスリがけを行うか否かで
仕上がりに差が出るので真剣です。
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ヤスリがけが完了したらお水を上限まで注ぎ
漏れてこないかテストをしましょう。
3時間ほど放置しましたがお水が漏れる気配は無し。
成功です。
③仕上げ
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水漏れテストが終了した時点で器の補修としては完了しているのですが
ちょっと味気ないですよね。
そもそも金継ぎなんですから、
私のお仕事でもお世話になっている貴金属(金または銀)を使い
美しく仕上げたかったんです。
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接合した部分に生漆を塗り
半乾きになったところで銀粉を乗せて行きます。
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職業柄、銀粉は簡単に入手出来るのですが
私達が使う銀はスターリングシルバー(925)と呼ばれる
銀に割り金(主に銅。他アルミニウムが少し入る事もあります。)を配合した合金なんです。
観賞用ではなく、実際に口にするものですから合金は避けたいところ。
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金粉の華やかさとは異なり
銀粉はかなり渋い仕上がりですが
そこは狙い通りと言ったところ。
不注意で割ってしまった時のショックはかなり大きかったのですが
こうして手間隙かけて補修した事で
今まで以上に愛着がわいて来たのは言うまでもありません。
と同時に、ものを大切にする「再生」という文化の素晴らしさを
改めて感じました。
「使い捨て○○」の様に使い捨て文化が広がり
大量生産大量消費という文化の真っ只中にいる私達ですが
今一度「再生」という文化を見直しても良いのではと思いました。
壊れたものを捨てる事は簡単ですが
壊れたものを直す事は簡単ではありません。
そして、資源は無限ではなく有限です。
未来の為に、少し立ち止まって考える時なのかもしれませんね。