シーズンオフ中の息子がスターサファイアのリングを作りました。

本日のジュエリー。



息子が10年前に一目惚れし

当時のお小遣いを全て投入して手に入れた

スターサファイアのルース(裸石)。

小学生の男の子がスターサファイアを欲しがるって

あまり聞かない話ではありますが・・・。

深く濃いブルー、

そして鮮明なスターに心打たれ

どうしても手に入れたかったのだそうです。

その後は部活が忙しくなったり

現在の様にフランスと日本を行き来する生活になり

なかなか形にする時間がなくなってしまいました。

それでも

「なんとか形にしたい。」

という想いはあった様です。



地金の塊からジュエリーを作り出すのは

そんなに簡単な事ではありません。

しかし、ワックスを削り出して

キャスト(鋳造)する方法ならば

経験が浅い息子でも不可能ではないはず。



「経験が浅い」

そう書いたのは、

自宅に彫金の道具が揃っているんです。

見よう見まねで彫金やっていたので

そこそこの加工は出来るんですね。

ですから、時間をかければ指輪も作れるとは思いますが

それは選手を引退してからにしてもらいましょう。



オフシーズンとは言うものの

お休みは週に1日だけ。

その1日でワックスを指輪の形にしました。

スターサファイアが収まる石座も文句なしの出来。

ここから先は職人さんにお任せしようと思っていたのですが

「最後まで自分で加工した方が愛着わくよ~。」

って、予想外の方向へ。(笑)

でも、こんな機会なかなか無いので

工房をお借りして石留めをさせて頂く事になりました。



キャスト(鋳造)から上がってきた指輪の形を職人さんに整えてもらい

いざ石留め。

しかも爪留めではなく、より難易度が高いフクリン留めです。

タガネと木槌を使いながら少しずつ地金を倒していきます。

タガネを叩く力が弱ければ地金は倒れませんし

強すぎるとスターサファイアに衝撃が加わり

最悪の場合割れてしまうかもしれません。

慎重に、慎重に作業を進めました。



こうして完成したスターサファイアのリング。

シンプルなフォルムはスターサファイアの美しさ(息子いわくカッコ良さ)を

十二分に引き出していると言えるでしょう。



何よりも、

自分で作ったという満足感がとても大きいそうです。

そして、それを仕事にしている職人さんの凄さを

改めて感じたみたいです。



10年越しの夢を叶えた息子。

なんだか彫金が楽しくなった様です。

来年のシーズンオフにまた何か作りますか?

 

ご協力頂いた職人さんに感謝。

ありがとうございました!

 

 

 
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