サイズ直しは、誰が作業を行っても同じ様に仕上がるわけではありません。

本日のジュエリー。

お客さまからお預かりした真珠の指輪。

大切なご家族から受け継がれたそうですが

サイズが合わず

このままでは身に着ける事ができません。

そこでサイズ直しとなるのですが

この指輪は現状18番。

お客さまの指を採寸すると8.5番。

マイナス9.5番の大幅なサイズダウンになります。

大幅なサイズ直しは受けてもらえない事が多い様ですが

その理由は石座部分の円の角度は変える事が非常に難しいから。

腕部分だけでサイズ直しを行うと

石座部分の角度はそのままですから

どうしても歪な形になってしまい

綺麗な円を描けなくなってしまうのです。

今回は真珠なので心配ありませんでしたが

弱いカラーストーンだと作業中に割れてしまうリスクも出て来ますから

サイズ直しを断られてしまうケースもあるのでしょう。

9.5番ダウンのサイズ直しが完了。

石座部分は一度真珠を枠から外し

少しずつ真円に近付ける様に作業しました。

透かし模様が入っているので慎重に少しずつ変形させていきます。

お預かりした時(一枚目の画像)にあった様な

地金の色の違いやロー目(繋ぎ目)が残っている仕事は

ジュエリーに対する愛情が少ないのかもしれません。

どこでサイズ直しを行ったのか分からない様に作業するのはもちろん

お預かりした時よりも良い状態でお返しするのが私達流。

「ただ単に形になれば良い。」なんて考えは微塵もありません。