「形になりさえすれば良い」という考え方は微塵もありません。

本日のジュエリー。



お客さまからお預かりしたアンティークのカレッジリングです。

4番から7番へサイズ直しをご希望でした。

バフトップのアメシストが美しいリングで

地金素材はゴールドなので問題なくサイズ直し出来るはずですが・・・。

アメシストがフクリン留め、

更に4番から7番へサイズアップというのは

難易度かなり高めなんです。

フクリン留めは宝石の周囲全てを地金で囲み留める方法。

分かりやすく言うと宝石の全周が爪で囲まれている様なもの。

しかし、一般的な4本爪や6本爪と異なるのは

爪の先端が尖っていないので(そもそも先端がありません)

お洋服に引っ掛かる等のトラブルがゼロに近くなります。

シンプルな外観になる事もメリットの一つと言えるでしょう。



もちろんフクリン留めのデメリットもあります。

技術力が伴わないクラフトマンが石留めを行うと

宝石に地金を被せ過ぎて実際のサイズよりも小さく見えてしまったり

本来の形状に見えなくなってしまう事もあります。

その構造上、宝石を簡単に交換する事も出来ません。

また、サイズ直しは宝石全周に渡り負荷が掛かる為

大幅なサイズ直しは非常に厳しいと言わざるを得ません。

今回は4番から7番へ3番アップなのでギリギリ許容範囲でしたが

この作業は難易度が高く高い技術力を持ったクラフトマンにしか

なし得ないと言えます。



アメシストが割れる事なく

無事にサイズ直しが完了しました。

アンティークジュエリーはゴールドとは言うものの

割金の割合や素材が現代のものとは異なるので

サイズ直し等のリペアを行う際は

使用する地金やロー材を現代のものではなく

アンティークジュエリーの色に合わせる必要があります。

私達はどこでサイズ直しを行ったか分からない様に

ロー目が見えない様に作業を進めるのは当たり前。

その一環としてアンティークジュエリーの地金の色に合わせ

アンティークジュエリーの美しさを損なわない様にしています。

「形になりさえすれば良い。」という考え方が微塵もない私達の姿勢と技術力は

そのジュエリーを大切にしていらっしゃる方の笑顔の為にあります。



先日はお忙しいところお越し下さり

誠にありがとうございました。

メンテナンス等、お気軽にお申し付け下さい。

またのご来店を心よりお待ちしております。

 

※ブログはお客さまのご了承を頂いた上で掲載させて頂いております。

 

 
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