4〜5年くらい使用したプラスチック製のおろし金にクラックが入り
買い替えの時がやってきました。
おろし金は大根おろし、生姜、時にはワサビもすり下ろしたりしますので必需品です。
でも、特にこだわりは無く
すり下ろす事ができれば何でも良いと思っていました。
昨日までは。
「燕三条製」というパワーワードに惹かれました。
調べてみると製造元である株式会社ツボエさんは
ヤスリの製造販売で明治40年に創業された老舗企業。
ステンレス製のおろし金は
プラスチック製のおろし金とは比較にならない重さを感じます。
現代社会では様々なものが軽量化されています。
その軽量化がメリットとして活かされる場合もありますが
そうとも言い切れない場合もありました。
おろし金はどうなんでしょう?
私個人としては、
今回購入したスーパーハイカットおろし金の重量感は好印象。
それは重たいから良いのではなく、手にした時の剛性感によるもの。
「おろし金に剛性感なんて必要?」
そう思われる方もいらっしゃると思いますが
その剛性感が上質感に直結している気がしてなりません。
おろし金の刃はなんと職人がタガネで一つ一つ本目立て。
おろす時の抵抗を軽減させるため刃の角度を35度に傾け
カラ滑り防止の為に刃の配列をバラつかせているそうです。
生姜をすり下ろしてみました。
新しいという事を差し引いても軽い抵抗感に驚きました。
軽い力で生姜がすり下ろされて行く。
すり下ろされた生姜はきめ細かく香りが際立っていました。
おろし金だけでこんなに違うなんて驚きました。
そして水分の少なさにも驚きました。
これはすり潰すのではなく
切る様にすり下ろすので余分な水分が出ず
野菜の中に旨味成分と共に留まっているのだと聞いた事があります。
鰹のお刺し身。
生姜は薬味として使用しました。
新鮮な鰹の味は最高。
でも、最高なのは鰹だけではなく
最高の脇役である薬味があってこそなのでしょう。
同じ食材であっても使用する調理器具によって
こんなにも味や風味が異なる事を知りました。
人生も折り返し地点を過ぎましたが
まだまだ知らない事ばかり。
ちょっとした工夫や変化で
小さな幸せを手に入れられる事を知りました。